甲山ぐるぐる

あまりかぜのブログ

 
   

【感想】『海賊とよばれた男』

あまりかぜです。

原作は、百田尚樹のベストセラーになった同名小説。日本人なら、読後に胸を熱くすること必至です。

映画の方は、60歳となった主人公、国岡鐵造が焼け野原となった東京で再起を誓うところから始まり、欧米石油メジャーの妨害をはねのけるため、起死回生の一手としてタンカー日承丸がイランから石油を運んでくるところがクライマックスになります。

 

初老の国岡を岡田准一が熱演してます。

それはよく分かりますが、老けメイクをしたところで、声のハリといい、姿勢といい全く初老には感じらないのはいただけません。試しに目をつぶって聞いてみるといいでしょう。20代からの違いが全くわからないと思います。

彼の演技はともかく、出光興産の創業者、出光佐三をモデルとした国岡の生き様は、男が惚れてしまいます。そして彼を支えた多くの人間たちがいたことも忘れてはいけません。

当時の日本には死線を生き延び、再び国を甦らせようと必死だった市井の人々が沢山いたのです。彼らを演じる脇の俳優さんたちも豪華で、見ていて魅了されます。

本当はこういう映画こそ、若い人たちに見て欲しい映画ですが、「ウケる」要素はあまり無いので難しいでしょうね。

現代では考えられないのが、とにかく皆タバコを吸う事。片時も手放さないといってもいいくらいです。健康被害なんて全く頭にない時代とはいえ、ちょっとびっくりです。

 

監督・脚本・VFXという三役をこなすのが山崎貴

本作のような大人がグっとくる作品には手堅い良作が多く、その手腕を証明したといえるでしょう。

一方で『ヤマト』とか『寄生獣』とかのアクション系は全く残念な監督さんです。

次回作はミステリータッチのファンタジーと報じられていますが、果たして。

 

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

 
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)