甲山ぐるぐる

あまりかぜのブログ

 
   

【感想】『この世界の片隅に』

あまりかぜです。

2016年はアニメ映画の当たり年でした。

大ヒットの『君の名は。』よりも遥かに強烈な作品がこの『この世界の片隅に』です。

アニメーションの持つ能力を一歩どころか、数歩前進させたと言ってもいいと思います。

 

原作のマンガは未読(同じ原作者の『夕凪の街 桜の国』は傑作です)。

この映画は、単に作品の良さだけではなく、戦前から戦時中の街並みや暮らしぶりがわかるという点でも一級の資料になるうる作品です。

f:id:kbtymgrgr365:20161202093449j:plain(画像はいずれも公式ツイートから)

このように映像に残すってことはとても大事で、どんなに文章にしても一枚の写真、動く映像が後世に伝える影響は計り知れません。

 

目の前にある戦争という残酷な現実のなかでも、人々は食べて、寝て、きのうも、今日も、明日も生きていた。そのことがどんだけ当たり前であったか、そしてしんどかったか。 

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玉音放送が流れ、戦争が終わった日も、呉の民家からはかまどからの煙が立ち上ります。実に印象的なシーンでした。

 

主人公のすずさんを演じるのん(旧名:能年玲奈)の演技はもっと褒められていいと思います。ほんわかしたすずさんにこれほどぴったりな声はなかなかいないでしょう。

と書いたところで、のんが今年の毎日映画コンクール主演女優賞にノミネートされていました。声優からのノミネートはもちろん初めての快挙だそうです。やはり分かる人には分かるんですね。

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 残念ながら西宮OSでの上映予定は今のところありませんから、お隣のMOVIX尼崎か塚口サンサン劇場でどうぞ。

 

 

 

 

すずさんは、右手を失い、大好きな絵が描けなくなってしまいますが、もし右手があったなら描いていたかも知れない、遊女の一生が最後のスタッフロールに流れます。

ここは見逃してはいけません。

感動で、ぼーっとしていてもしっかり見ましょう。