あまりかぜです。
これぞ大人のファンタジー、と自信を持っておすすめできる映画でした。
まずは、童謡『赤い靴』の歌詞をご覧ください。作詞は野口雨情。
1.赤い靴 はいてた 女の子
異人さんに つれられて 行っちゃった
2.横浜の 埠頭から 汽船に乗って
異人さんに つれられて 行っちゃった
3.今では 青い目に なっちゃって
異人さんの お国に いるんだろう
4.赤い靴 見るたび 考える
異人さんに 逢うたび 考える
映画を見た人なら、この歌詞の相似感は判るでしょう。劇中、主人公は欲しそうにしていた赤い靴を、後に履いています。もちろん監督がこの歌詞を知ってるはずはないのですが、誰か教えて上げてほしいな。
主演のサリー・ホーキンスの文字通り体を張った演技。これでオスカー穫れなかったら残念です。
孤独な女と同性愛者の絵描きが隣り合わせで住むのは寂れた映画館の上。映画ファンなら唸ってしまうような設定です。
全編に流れるオールドジャズもいい。音楽もオスカー候補なのも納得できます。
ただの怪獣オタクじゃなかったギレルモ・デル・トロ監督。すごいよ。
※追記
主演女優賞こそ『スリー・ビルボード』(これも傑作です)のフランシス・マクドーマンドになりましたが、モンスター映画が作品賞と監督賞、美術賞、作曲賞の4部門を獲りました。
特に作品賞受賞とは。歴史的快挙ですよ!