■オススメ度
◎(通常版の場合)
です。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
○: 映画ファンなら見る価値あり
■感想
2回観ても解らないとか、いろいろ言われていたものの、そんなに身構える必要はありませんでした。
ともあれ、すごい映画を観た、というのが初感です。時間逆行をテーマにした映画のリファレンスになるであろう作品。
一体どうやって撮影したのか。俳優たちはどう理解して動いたのかとか、内容とは別に疑問点はいっぱいあります。
全てのカットに意味がある。すなわち前に見たシーンを覚えていないとついていけないので、漫然と見ているとアワアワするでしょう。
映画のストーリーさえ逆行してるので、クライマックスに近づいているようで、実はスタート地点に進んでいるという仕掛けです。
冒頭のWBのロゴは赤。そして終わりは青になってます。
けれども、この映画の本筋であるスパイ・アクション映画として見れば、残念ながらぎりぎり及第点といった感じでした。
クリストファー・ノーラン監督作品としてなら、『インセプション』のほうが好き。
ラストのコマがどうなるのか、見た者が想像できる余韻は、別格なものがあります。本作にはそこまでの余韻はありません。
リアルにこだわって極力CGは使っていないそうですが、本物らしく見せるのはあまりうまくいっていません。例えば爆発シーン。
貨物機がビルに突っ込むシーンは目玉の一つですが、翼がビルに触れるやいなや、オレンジの炎が出てしまっている。その炎も冒頭のコンサートホールでの爆発と同色なのです。
ここはあえて少し違った演出が欲しかった。
この時のカメラ位置が目線よりも高いので、本物なのに模型ぽい感じが出てしまっています。実にもったいない。
ただし、監督が愛用するIMAXと通常画面は縦方向の画角も違うので、IMAXで観たら全く違う様に見える可能性は大いにあります。
登場人物が少し多めで、各人の背景もそれほどじっくり見せていないせいか、ドラマ的にも軽い印象です。
結局、どうやって時間を逆行させるのかという一番の疑問も、回転ドアと呼ぶ逆行装置の仕組みもわからないまま。
アクション映画だからあまりこだわることもないのでしょう。
それにしても生き残った主人公たちは、やること山積みです。過去を紡いでいくという途方もない仕事に取り組んで行かなくてはならないのですから。
お仕事映画としてなら、そっちのほうが興味あります。
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