■オススメ度
☆
です。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
○: 映画ファンなら見る価値あり
■感想
とにかく全てのシーンが愛おしい。
映画好きを自称するなら、絶対見てほしい一本です。
なぜなら、映画編集を正面から扱った映画だからです。
映画を題材にした映画にハズレ無し。ポンポさんの外見で判断して観ないのはとても勿体ことをしてます。
原作の第一巻を自粛期間中に読んでいて、映画化をとても楽しみにしてました。なので、判官びいきはあるかもしれません。
特に前半はテンポもいいし、二度見前提のような細かい描写も見ていて楽しいです。例えば、
スイスでポンポさんの頭に蝶がとまっている。
フルート奏者が怒鳴られる二度目、マーティンが投げつけるのは楽譜ではなく台本。
フランちゃんも出ている(セリフあったんだ)。
ポンポさんの赤い椅子が気になる。モデルは何なのだろうか。
ランチア・デルタインテグラーレのスポイラーがほぼ垂直(只のファッションですね)。
「人生は選択の連続だ。友達も、生活も、仲間も切って」いく主人公のジーンくん。その過程は、一種狂気です。
延々と続く編集作業。この作業の意味を彼なりに見つけるわけですが、結果、とんでもない事を言い出します。これは原作にありません。
映画の編集を一番のクライマックスとする、と監督は提案書に書いたそうですが、実写の編集も手掛け「夢にポンポさんが出てきて怒られた」という今井氏と監督へのインタビューを読むと、本編90分ぴったりとするのにも、相当苦労したのが判ります。
原作にいないジーンの同級生アランくんが登場するのが後半です。
オリジナルキャラである彼はいらないんじゃないかと思ってましたが、ジーンの言い放った新たな問題を解決するためには、たしかに必要です。
前代未聞のプレゼンはさすがにフィクションでなかったら、コンプライアンス的にまずいです。でももし問題をポンポさんだけで解決していたなら、只のお仕事アニメになっていたに違いありません。
夢に向かって生きているのは映画人だけじゃない。
アランやSNSの反応といった一般人を描くことで、夢の実現には、外の世界の誰かが手助けしなきゃならないときだってあるということをリアルに感じることができます。
大変な時ほど、体調管理。これはマストですね。
残念なのは公開劇場数が意外と少ないことです。阪神間では尼崎や神戸で公開されてますが、西宮OSには来ませんでした。
ロングランされるといいですよね。近いうちに塚口サンサン劇場でかかる予定はあるみたいです。
↓映画のシーンをふんだんに使った挿入歌MV(「例えば」花譜)
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