あまりかぜです。意外と見どころの多い映画でした。
感想は基本的にネタバレです。
■オススメ度
◯ です。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
◯: 映画ファンなら見る価値あり
△: 無理して見なくてもヨシ
■感想
非常に良質な映画でした。
本年度のアカデミー賞で脚色賞を受賞しただけあって、やはり脚本は見事。同時にノミネートされていた美術も素晴らしかったです。
投票が行われるシスティーナ礼拝堂のセットは、迫力があり印象的でした。
馴染みの薄いキリスト教の内容だし、出演者もベテラン俳優が中心だったためか、若い観客が少なかったことは非常に残念です。
テレビドラマでは到底表現できないような、映画ならではの醍醐味があるのにね。
物語のラストに登場する亀。小さな野心で自由を求めて池から脱走するものの、結局は元の場所に戻されてしまう。ローレンス首席枢機卿自身の境遇とダブって見えました。とてもうまい演出です。
そして新任のベニテス枢機卿には驚かされましたが、チェスで常に8手先を読んでいたという故教皇を考えると、もしかするとすべて教皇の計算通りだったのかもしれません。
現代では、バチカンで爆発騒ぎが起きる可能性も、決してゼロではないでしょう。宗教の中にもさまざまな多様性が入り込んでくる。教会が進歩していけば、映画の登場人物のような教皇が誕生する日が来るかもしれません。
そういう時代に生きているのです。
ところで、実際のコンクラーベでは、投票前に十分なミーティングが行われるため、映画のようなスキャンダルが起こることはほとんどないそうですよ。