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【映画】『PERFECT DAYS』【評価と感想】

あまりかぜです。
役所広司さんがカンヌ最優秀男優賞を取った映画を観ました。
感想は基本的にネタバレです。

■オススメ度 
◯ です。

☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
◯: 映画ファンなら見る価値あり

△: 無理して見なくてもヨシ

■感想
劇場で観ることをお勧めします。
驚きが2つありました。まず4:3という画面比率。なんでだろうと思ったら写真のL判とほほ同じサイズ。これに気づいた時は唸りました。
2つ目は渋谷区公衆トイレのデザイン。著名な建築家やデザイナーがデザインしたそうです。そもそも映画はこのトイレの認知度を上げるために企画されたみたい。こんなの見たら行ってみたくなるでしょ。

超寡黙な男が見せるラストの3分ぐらいの長回し役所広司の笑みがやがて泣き顔になる表情の変化。これを撮ったカメラマンは泣き出したそうです。

いや見事です。
劇中の「今は今、今度は今度」「変わらないなんてことはない」というセリフやキーとなる影と木漏れ日が印象的でした。
男は風呂なし安アパートで、70sのカセットテープを聞き、フィルムカメラを愛用します。質素を超えてレトロを地で行く暮らし。さすがに濡らした新聞紙で畳を掃く(役所の母親がやっていたらしい)のはやりすぎな気がしました。おそらく彼は元経営者一族で、父親と埋めがたい断絶ができ、家族と離れたんじゃないでしょうか。そして彼が行きついたのは、運転手付きでやってくる妹とは別の世界だったというわけ。繋がっているようでそうじゃない都会の姿です。

ヴィム・ヴェンダース監督はトイレにあるはずのリアルな現実は見せない。汚物だってあるだろうし、ゴミや落書きももっとあるはず。それらを撮らなかったのは監督の考えか、それとも渋谷区への忖度か(共同脚本は電通の方)。自転車の飲酒運転も気になるといえば気になります。

とはいえ。この映画は人間ドラマを装ったある種ファンタジー映画。そう思うとしっくりきました。

 

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