あまりかぜです。
歌を通してヤクザと中学生の奇妙な関係を描くファンタジックハートフルコメディです。
感想は基本的にネタバレです。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
◯: 映画ファンなら見る価値あり
△: 無理して見なくてもヨシ
■感想
劇場で観るのはある意味よし悪しです。
歌へたヤクザの狂児を演じる綾野剛が決してへたではないのがわかってしまうのです。
そもそも出てくるヤクザ役の方々、みなそんなに音痴でもない。無理しているのよくわかります。ここはマイナス。
狂児の相方を務める中学生、総実に齋藤潤。オーディションで選ばれた16歳。合唱部のソプラノパートなのに変声期に悩み、ヤクザを通して垣間見る大人の世界に翻弄される中学生という役どころです。
X JAPANの「紅」の高音をギリだせる男の子という絶妙のタイミングをうまく演じています。
現実には、昔と違ってヤクザと関係を持つのは相当リスクが高い訳で、そこをあえてスルーしてるのはファンタジーですね。
ただ、狂児が常識人の様に振る舞ったり、捨て犬よろしくずぶ濡れになるのを見るとほっとけなくなるのも解ります。
原作マンガはBL要素濃いめらしいです。映画の方も愛とは、と問うてげんきおまもりを渡そうとするなど、それなりのシーンはあるものの、中学生にあるあるの青春シーンとしか思いませんでした。ラストの熱唱には「愛」を感じるけれど。
合唱部から逃げ込む先が、再生しかできないビデオデッキで白黒映画を観る部、てのは映画ファンに刺さります。きっと亡くなった先生の遺品なんでしょう(ネット情報によれば白熱、カサブランカ、三十四丁目の奇蹟、自転車泥棒とのこと)。
卒業式後にすべてのテープを巻き終える演出も素敵です。
【おねがい③】
明日のTOHOシネマズ新宿さんでは、なんと【スクリーン9】で上映いただきます🫶🙌
とっても大きなスクリーンでご覧いただけますのでお時間ある方はぜひです……!たのしい絶唱応援上映もあります🫰🎤
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— 映画『カラオケ行こ!』公式 (@moviekaraokeiko) February 10, 2024
作品の舞台は大阪の下町ですが、ロケ地は関東。どおりでミナミ銀座の空気感が大阪とは違います。これも劇場で観てこそ感じるというもの。
それにしても「紅」(の冒頭)って、こんな歌詞やったんやー。
ハートがめちゃ痛い
あんたが去ったとき、俺は振り返られへんかった
追いかけてしまいそうで怖い
あんたのマボロシ見てもうて、真実見つけに真っ暗な街を走ったでー
記憶の中のあんたは、俺の心の中で光ってるでー
ピカピカやー
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