あまりかぜです。
実在のレーサーを題材にした映画を見てきました。
感想は基本的にネタバレです。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
◯: 映画ファンなら見る価値あり
△: 無理して見なくてもヨシ
■感想
レースについてさほど詳しくない人向けに作られた感のある架空の映画です。
ネット上では肯定的な評判でしたが、ストーリーには斬新さがなく、あまりに王道的で、まるでディズニー映画や安っぽい子供向けのアニメのような印象でした。
ゲーマーがリアルの世界で成功することは一昔前は驚きでしたが、今や珍しいことではないでしょう。レーサーとしての体力や気力を身につければ、ゲームのテクニックが実際にも通用することになんの疑問はありません。実際、飛行機パイロットも多くの時間をシミュレーターで訓練しています。
にもかかわらず、映画ではゲーマーを見下すような演出をして、事故後にル・マンで成功するというストーリーは安直過ぎです。
レースでのドライバー視点映像なんかは、ほんとうにゲームの世界を実写化しているみたいで迫力あります。さすが『第9地区』のブロムカンプ監督。そこは◎です。
実際のドライバー、ヤン・マーデンボローは、2011年にGTアカデミーでデビューし、F3を経て2013年にル・マンに参戦し、LMP2という2番目クラスで3位入賞。これは相当すごい実績です。ただし、映画のように日産ワークスとして参戦したのは2015年で、この年はマシンの準備不足が露呈しリタイアという結果に終わりました。さらに、サーキットでの事故はこれらの後に起きたそうです。
むりやり架空のル・マンレースを描く必要はなかったと思います。ル・マンという恐ろしく過酷なレースをゲーム出身のレーサーが走り抜いたという事実をして、ヤンの凄さ、特異さを描いてほしかったと思います。
イケメンでならしたオーランド・ブルームがGTアカデミーを立ち上げる中年の日産社員という役どころでした。ずいぶん貫禄が出ましたね。
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