■オススメ度
◯
です。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
○: 映画ファンなら見る価値あり
■感想
監督は湯浅政明、脚本は野木亜紀子。そして音楽は大友良英。そんなわけで、期待度は高かったんですが、やや期待外れでした。
鑑賞中に思った事をつらつらを書くと、
・歌詞の字幕が欲しい。
・楽曲が単調。
・やっぱりアニメは動きが第一。
といったところです。
この劇中歌にハマる人は、とことん楽しめる映画だと思います。
犬王演じるアヴちゃんや琵琶法師の森山未來はミュージカルに恥じないパフォーマンスを披露してくれます。
でも劇場では歌詞は出ないので、かなり集中して聞いていないと何を言っているのかわかりません。現代語ではあってもやはりロックだし、語られない平家の物語はとても良いのに音楽しか感じられないのでは面白みが半減です。
で、その音楽もエレキやドラムで演奏されていて、同じ曲調の繰り返しが長い。はっきり言って飽きます。
楽曲の導入部は映像と同じように琵琶と太鼓で演奏すればよかったのに。いつの間にか現代楽器になっていてもそれは構わないと思います。
音楽自体は、ちょっと嗜好とは合わないものでしたが、アニメーションの肝となる動の表現は素晴らしい。アニメらしい構図や手法が全く嫌味なく発揮されてます。
湯浅監督作品はあまり陰影をつけず、のっぺりした絵で表現されているキャラクターが多かったのですが、本作では最小限の立体感を持っていて、ほとんど気になりません。
そんな犬王の演舞シーンは、劇場で見る価値は大いにあると思います。これはさすがに否定出来ない。「鯨」の演出は見ているだけでも楽しいものでした。
ストーリーは手塚治虫の「どろろ」を思い出してしまいました。自らの野望を子を犠牲にしてでも成そうとする執念は、怨念そのものです。
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