■オススメ度
◯
です。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
○: 映画ファンなら見る価値あり
■感想
この映画がロードショウ公開できて、ちゃんと評価されたのはとても素晴らしい事。ツッコミどころはあるものの邦画もなかなか頑張ってます。
現実には実態が全く不明な内閣調査室が、政府の意向によって世論誘導や暗躍していたら、というサスペンスフィクションです。
ノンフィクションのお仕事ドラマでも、熱血記者の青春ドラマではありません。
ネタを追う新聞記者と仕事に疑問を感じ始める内調の官僚。女性記者のシム・ウンギョンの演技が見どころの一つです。たどたどしい日本語ながら鬼気迫る演技が光ります。思いつめ言葉を発しようとする彼女のラストショットは見事でした。
ただ記者部屋では手ブレのカメラワークが多用されとても気持ち悪かったし、いくらなんでも記者が一般人の顔がわかる写真をツイートしたら駄目でしょ。
松坂桃李がもうひとりの主人公である官僚を演じています。信頼していた元上司が自殺する前にやたら焦って連絡を取ろうとするし、子供が生まれても笑顔一つ見せない。そこまで追い込まれているのはわかりますが、ちょっとやりすぎ感があります。北京というとてつもなくインテリジェンスの高い大使館で勤務してたのなら、騙し合い、化かし合いには慣れているはずなのにね。
この二人、あまりに真っ直ぐで、使命感ありすぎです。役どころとして演じきったシムや松坂は大したもんですけれども、モーレツが当たり前の昭和ならいざしらず今の時代、も少し視野を広くして生きようよと感じてしまいます。正義を貫くことも大事ですが、それだけが人生じゃないんですよ、と言いたい。
既存メディアが必ず正しいという前提はないに等しいし、かといって一部のSNSを鵜呑みにするほど国民もバカではないと思いたいのですが、どうでしょう。
現実は小説より奇なり、もまた事実なのです。
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