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【映画】『さかなのこ』【評価と感想】

あまりかぜです。
お魚大好き、さかなクンのエッセイを原作にした映画を見ました。
感想は基本的にネタバレです。

オススメ度

 ◯ 

です。

☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
○: 映画ファンなら見る価値あり

■感想

内容的には◎でもいいと思いましたが、2時間半は長い。長過ぎる。90分は無理だとしても、2時間に収めて欲しかった。長い時間が苦にならないアクション満載の映画じゃないし、アート系作品でもないんです。

邦画はもう少し商売的な面も考えて映画を作っていかないとだめです。将来お先真っ暗です。そこだけがマイナス。

主人公のミー坊はお魚が好きで、他のことはお構いなしの子。母親だけは理解を示し、マイペースのまま大人になります。

魚関係の仕事をしようとしても、仕事より魚に目が行ってしまう彼に、世の仕事はなかなか務まりません。

そんなミー坊を、周りの大人は普通じゃないと言います。いわゆる痛い子扱いです。でもそれって好きの対象が「魚」だからですよね。

「魚」を「サッカー」とか「歌」とかに変えてみたら?。寝ても覚めても「将棋」の事ばかり考えてる少年が、プロになるのは全然ありでしょ?

要は彼がマイナーでニッチな存在だから、変わっているとか、大人にもなって、とうそぶくわけです。

ミー坊の描くイラストの実力なら、いずれ世に出たかもしれません。では劇中に登場するギョギョおじさんと彼(=現実のさかなクン)との違いは何なのでしょう。

さかなクンがどんなに唯一無二の存在であったとしても、紙一重でギョギョおじさんになっていたかもしれないのです。

映画では、程度の差はあれ成功した大人がミー坊に手を差し伸べました。そうした結果、彼は社会で自分の居場所を見つけることが出来たのです。

結構シリアスな映画です。

一日タバコをふかしている理容師や、両親が別れていたり、母子家庭になった同級生がいたりと、成功した大人ばかりではないこともしっかり描いています。

「好きこそものの上手なれ」とは言いますが、好きなことを突き詰めていくことと成功することは、イコールではないのが厳しい現実ですね。

小説 映画 さかなのこ

この映画では男性であるミー坊をのんが演じています。

冒頭でどどんと宣言している通り、男のくせに、女のくせにといったセリフもなかったですし、彼女の中性的な魅力のお陰もあって、ミー坊の特異性が際立ち、映画全体が優しい雰囲気になったと思います。

のんの抜擢は大正解でしょう。

ところでウエットスーツを着たミー坊が足ひれを付けたまま道を歩くシーンがありますが、歩きにくく、前進するのはとても危険です。

絶対マネしちゃダメです。

あと、水槽が地震でどうにかならないのか、ハラハラしました。

 

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▽こちら原作